メイドロイド ラボラトリー Maidroid Laboratory
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これは、世界初のエンターテイメントロボットと銘打って、株式会社日本ビジュアルで1991年に完成、発表した等身大ロボット〈スセロティーナ〉でございます。
ロボットに関する専門知識もないまま、手探りで設計製作を行いました。

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ロボットと申しましても、これは映像作品のSFX(特殊視覚効果)のカテゴリーの一つである「メカニカルギミック」の類で、番組やイベントでキャラクターとして使用する目的で製作したものでございます。
構造的には、ここ近年のブームによって世間で急速に発達しております、ラジコン用サーボモーターを組み合わせて作られるロボットの、原始的なモデルにあたります。
外観のデザインは、(株)日本ビジュアルの社長であった将城省吾(佐野隆)氏の手によるものです。
一見、空山基氏の描かれる「セクシーロボット」のイラストをイメージしたようにも見えますが、実の所は、海外で製作されたCGで動くメタリックロボットのCMに刺激されたとの事で、1989年に身長約80cmの人形として完成させた後、動力内蔵の可動モデルとして等身大の開発に移っておまりす。
((株)日本ビジュアルは(株)内外タイムス社に吸収合併の後、解散。その後将城氏は代々木アニメーション学院にて講師を務め、このロボットは同校の広告にも使用されたとの事です)
この頃は、イベント展示用ロボットのほとんどが、まだエアーシリンダーを使っていた時代で、演技も単調でパターンも限られておりました。
その当時においては、サーボモーターによって動作速度やポーズの停止位置が任意にコントロールでき、しかもリアルタイムに演技が変えられるスセロティーナは、画期的なモデルでございました。
しかし、当時はまだ小型サーボモーターやコンピューターの性能が低かったため、現代よりもかなり大がかりなシステムになっております。
自由度は、片腕あたり指まで含めて11ch。
首の3軸と目口の開閉で頭部は6ch。
足首はフリーのため、脚は股関節と膝のみ可動で片足4ch。
腰の捻りを入れると、全身で37chに及びます。
当時の一般的なラジコン用サーボモーターでは、このサイズのロボットを動かすにはトルクが足りなかったため、特に力が必要な肩から肘までと股関節には、映画〈ショートサーキット〉のロボットや、映画〈ジュラシックパーク〉の恐竜のメカニカルに使用されている物と同じ、静止トルク380kg-cmの大型ラジコン用サーボモーターを使用しております。
しかし、そのままでは大きすぎて関節の数だけのサーボモーターを内蔵する事ができないため、サーボモーターのケースを切断し小型化して胴体内のスペースに収め、ギヤトレーン、チェーンドライブ、ワイヤーリンケージなどによって各関節に動力を伝えております。
動作は、プログラムによる制御とともに、アナログのマスタースレーブシステムによる制御も可能で、パフォーマーが躰にモーショントレーサーを付けて演技を行う事で、リアルタイムにも演技を行えます。
まだモーションキャプチャーという言葉も一般には珍しかった時代の事でございます。
プログラム制御時は、ホストコンピューターとRS422シリアル接続された、最大64ch出力が可能なPWM回路からコントロール信号を送ります。
ホストコンピューターは任意の物が使用でき、主にPC98シリーズと、NEXT社のNEXTが使用されました。
当時のニュース番組〈ニュース23〉に紹介された際には、キャスターとしての試みもなされました。
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当時は、まだノウハウの蓄積がないため開発は試行錯誤の連続で、現代から見れば大変効率の悪い部分や稚拙な部分が多々ございます。
しかし、15年以上の歳月を経た今、ロボット業界のインフラは何倍にも発達し、多くの研究者、開発者によって様々なノウハウも蓄積されております。
今、同様の等身大ロボットを作るのは、当時よりハードルが下がっていると言えるでしょう。
今なら、当時よりも低コストで高性能なロボットの製作が期待できます。
しかも、ワンオフで製作されるギミックではなく、等身大ロボットの開発プラットホームとしての量産すら困難ではないと思われます。
これは、試す価値は充分にあるかと存じます。
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遡る事2年、2005年の4月の事でございます。
その昔、スセロティーナを製作した際のスタッフの伝手で、とあるロボットメーカーのスタッフを紹介されました。
そのロボットメーカーでは新しい企画を模索されているとの事で、何かアイデアが欲しいとの事でした。
そのロボットメーカーでは、双葉電子工業のロボット用サーボモーターを使用した研究用二足歩行ロボットの開発と販売を行っており、同時に、そのロボット用サーボモーターの販売代理も行っておりました。
双葉電子工業のロボット用サーボモーターは、当時としては大変先進的な機能を持っておりました。
トルクも充分あれば、シャフトは貫通軸設計で、ビスも貫通してナット止めを行うと言う、全体に強度を重視した設計になっておりました。
しかも直交ニ軸の構成や両軸出力が容易で、金属筐体の放熱面積も大きく、目標角度に応じた弾性制御、負荷を測るトルクセンサーや温度センサーのフィードバックも可能で、加熱による焼損や高トルクによる自己破損を防ぐ、高機能サーボでございました。
特に注目すべきは、目標角度に応じた弾性制御機能で、それまでと同様にホストコンピューター側からは簡単なオープンループで制御しながらも、簡易的なインピーダンス制御が可能になると言う、大変高度な機能を搭載しておりました。
それまでのラジコン用サーボモーターでは、モーターの中ではクローズドループで角度を制御しておりますが、ホスト側から見れば角度信号を一方通行で送るオープンループ制御として使用されていました。
フィードバックをかけないオープンループ制御のロボットでは、どれだけ負荷がかかっているか分からず力をかけ続けるため、例えば手を合わせて拝むポーズをとっていると、モーターやドライバー回路が焼ける危険がございました。
扉を開ける動作の時も、アームの移動する軌跡と、ドアノブの軌跡が綺麗に交差しないと、余計な負荷がかかり、最悪破損する事もございます。
これらは本来、フィードバックでアームにかかる負荷を検知して、ロボットの動きに修正を加えてやる事で解決するのですが、ラジコン用サーボモーターでそれを行うのは大変ナンセンスでございます。
ホストコンピューターまでフィードバック信号を返すのであれば、既存のラジコン用サーボモーターを流用するよりも、全くのゼロから関節ごとサーボ回路を設計した方が早うございます。
ところが、この双葉電子工業のサーボモーターは、コンパレーター回路の中で弾性制御までが完結しているため、ホストコンピューターまでフィードバックを返さなくても、ちゃんと手を合わせて拝む事ができるのです。
なぜなら、かかった負荷に対して、角度が逃げるのです。
無理をしてまで目標角度に向かわず、目標角度に近くなるほどトルクを下げるため、サーボモーター単体でフレキシブルアームが構成する事ができるのです。
これを使うと、人間と握手する事も可能でございます。
インピーダンス制御は、実際に人間と触れるロボットには必要な機能の一つございます。
完全なものでなくとも、簡易的でもインピーダンス制御があるとないとでは大きく違います。
トルクリミッターなどで機械的にインピーダンス機構を作る事も可能ですが、機構が複雑化してコストが上がりますし、人間型のデザインに収めるためには、余計な機構でスペースを割くのもあまり良い事ではございません。
また、機械で作るよりも、電子的に弾性力を調整できる方が、制御も機構もずっと単純化ができます。
そこで私は、僭越ながら、この双葉電子工業製のサーボモーターの特色を生かせるよう、単なるパフォーマンスロボットではなく、もう一歩進めて、実際に人間と触れる事が簡単にできるロボットを作ろうと考えました。
そして、等身大のメイドロボットの企画を立てて提案する事となったのです。
一言に等身大と言いましても、あまり大きな物は製作が大変でございます。
担当者からは、身長100cmくらいで収めて欲しいとの要望がございましたので、まずは仮に身長100cmで設計の概略図を起こしてみました。
しかし、身長100cmでは必要な数のサーボモーターを効率よく人間型の中に内装するのは困難で、腕には大きなバルジが飛び出しました。
多少のバルジであればロボットデザインと言う事で許されるかと思いますが、それにしては少々大きすぎました。
また、実寸大の設計図を広げてみると、大きさ的にややインパクトに欠ける面もございました。
製品安全協会の身体計測報告書(1973年)によると、身長100cmと言うと日本人女児にして4歳児の平均身長でございます。
これでは、あまり等身大らしくございません。
そこで、サーボモーターのサイズとトルク、デザイン面との兼ね合いから概算を出し、当面は身長120cm~140cm程度の中で折り合いを付けようという話になりました。
トルクと重量の関係から、小さく済むならそれに超したことはないので、等身大に見えてかつデザイン的に破綻の少ない範囲での最小寸法が望ましいのです。
成人の平均身長でも154cm(1984年、通産省工業技術院、体格調査報告書)ですから、150cmまで大型化する必要はないかと思われます。
まずは仮に最小のケースと言う事で、身長120cmで概略図を書き直しました。
これが、メイドロイド開発のスタートでございます。
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そんないきさつで、再び等身大ロボットを作る事となりました。
メイド型ロボット――メイドロイドでございます。
サーボモーターのレイアウトを練り込み、それに伴い全身のサイズの変更、プランの細部を煮詰めます。
何はともあれ、今はサーボモーターの性能が格段に上がっており、腕の殆どの部分がダイレクトドライブで設計できると言うのが、大変ありがたい事にございます。
今では別段珍しくはないのでしょうが、私が15年前に制作した時は、等身大ロボットでこれ行うのは困難でした。
指に関しては、今回も、胴体内にレイアウトしたサーボモーターからワイヤーで動力を伝達するワイヤーリグという方法を使用いたします。
ワイヤーリグは、映画のSFXメカニカルに良く使われた方式で、ILMのスタッフがアカデミー技術賞をとった技術でございます。
特にトルクの必要な肩、股、膝の関節には、サーボモーターを直列で2個連結して、トルクの倍増を行います。
これはキャリブレーションが正確で弾性制御のできる現代のサーボモーター故にできる技術でござます。
昔のサーボモーターでは、直列にして使うと立ちどころに焼損いたします。
そうこうして設計を進めていたのですが、ある頃から、そのロボット会社の担当者からの連絡が途絶えました。
後で知ったのですが、その担当者はロボット会社を辞め、企画は誰も引き継ぎをしていなかったそうです。
ちょうど私も本来の生業が立て込んでおり、連絡がないのをいい事に開発の手を休めていたため、企画は自然消滅に近い形となっておりました。
しかし、手を付けていた作業を途中で投げ出すのは性に合いません。
そのロボット会社が作らないのなら、私が一から個人で製作する事にしようと決意いたしました。
2006年4月。
最初のスタートから一年経った頃の話でございます。
私は造形の本職ではないのですが、一通りの材料の扱いは心得ておりますので、とりあえず形の検討のために粘土を練りはじめました。
かつては、ハンス・ベルメール、天野可淡、四谷シモン等の、球体関節人形の写真集を集めては参考にしておりましたが、今ではその分野もずいぶんと裾野が広がっているようで、人形作家の方々も以前より増えております。
模型分野の方でも、フィギュアやドールが増え、造形的にも構造的にもずいぶんと進化を遂げており、それらの商品や写真は巷に多数溢れております。
資料には事欠かきません。
そこで、参考になりそうな人形や写真集を集めてヒントにしながら、荒削りな所から形を作りはじめました。

設計を続けるにあたっては、サーボモーターを用意する必要があります。
双葉電子工業のロボット担当の方に連絡を取って、色々とお話を伺いました。
製品の仕様について非常に事細かく聞かせてもらえ、大変有益な情報が得られました。
実際に双葉電子工業のサーボモータを購入するために、代理店である、件のロボット会社に連絡を取り、相談をいたしました。
2006年7月の事でございます。
以前の担当者はもういらっしゃいませんので、直接、社長とお話をさせていただきました。
その折りに、そのロボット会社で進めていた新製品の企画などについても伺う事ができました。
しかし、色々とお話をさせて頂くにつれ、どうもその社長の志向が私とは少々違う方向を向いていらした事に気付きました。
その会社としては、ロボットを広く一般に売るのはあまり好まず、研究機関などに販売を限定していきたいとの事でした。
一般に販売をすると、低価格競争になって薄利多売になりがちで、そういった商戦はあまり好まないと言う事だそうです。
それよりも、限られた相手に適正価格で販売する方を選択したいとの事でした。
確かに、一般に多く販売をすれば、ユーザーサポートの体制を敷く必要もあり、それはメーカーとして大変な手間がかかります。
それなりの見識のある機関に販売するのは、取引も堅実ですし、初心者よりも技術面に長けているので、ユーザーサポートにかかる手間も違うでしょう。
一つの見解ではございます。
しかし、私としては、あまり好ましいスタンスではございません。
それでは双葉電子工業は、このロボット用サーボモーターをあまり量産できないと言う事になってしまいます。
この種の製品は、量産効果によって高性能低価格を実現しております。
そのため、大量生産しなければ量産効果による利益が小さくなってしまいます。
利益の少ない部門の製品は、今、いくら良い製品を作っておりましても、次世代、次々世代の開発が続けられるかどうか分からないのです。
利益が芳しくないと、メーカーは開発を辞めてロボット用サーボモーター市場から撤退する可能性すら考えられます。
事実、その当時の双葉電子工業のロボット用サーボモーターのシェアは、決して多いとは言えませんでした。
他社製のサーボモーターのように普通の小売店では購入する事ができないのですから、当然と言えば当然でございます。
ですので、もし双葉電子工業のサーボモーターを使ってシステムを組むと、将来、この分野の技術が進歩した時に、差し替えのできる新型モーターが双葉電子工業からは登場しない可能性も考えられます。
この新世代のサーボモーターはシリアル接続のコマンド式ですので、一度システムを組みますと、今後サーボモーターのメーカーは統一した方が何かと都合が良くなります。
それ故、メーカーの将来の展望はどうしても気になるところです。
また、この時点での双葉電子工業のロボット用サーボモーターは、周辺パーツのインフラも他社に比べまして、いささか乏しく感じられました。
設計に流用できるパーツが非常に少ないのです。
一般ユーザーが少ないため、オープンソースで開示されるノウハウの蓄積も全くありませんでした。
このインターネット時代に、先人の知恵をお借りする事ができないのは、とても大きなハンディです。
サードパーティーの後押しがなかったのも辛い所です。
優秀な面や、興味深い面の多いサーボモーターだけに、大変惜しゅうございます。
これは、とても悩ましい問題でございます。
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仕事の合間を見ては、思い出したように粘土を練り、仮原型の作業を少しずつ進めました。
そうこうしていると、2007年の1月に、興味深い本が創刊されました。
〈週刊ロボザック〉と言う、ディァゴスティーニの雑誌で、毎週付録の部品を組み立てていくと、最後にはサーボモーターを使ったロボットが組み上がるという本でございます。

興味本位で購入してみました。
創刊号には、左前腕部の部品が入っておりました。
よくよく読むと、基本ボディーが組み上がるのは49号だそうです。
歩き始めるのは一体、何時の事でしょうか?
とうとう痺れを切らしてしまい、私は創刊号を買ったそのすぐ後に、ロボットのキットを購入してしまいました。
色々と検討した結果、価格と機能のバランス、周辺パーツの多さと今後の参考も含めて、近藤科学のKHR-1 HVを購入いたしました。
組み立てると、半日で完成しました。
10数万円の価格で、しかもこんなにも手軽に、二足歩行ロボットが組み立てられるようになるとは、良い時代になったものです。
サンプルモーションを入力すると、その日のうちに歩き出しました。
完成した所で、あらためて製品のラインナップを再チェックいたしました。
近藤科学のサーボモーターは、周辺パーツの種類が揃っており、サードパーティー製の部品もござすます。
比較的、普及度は高いメーカーのようです。
また、40kg-cmの高トルクモーターもあり、シリアル接続のコマンド式も可能なようです。
双葉電子工業の弾性制御とどの程度の差があるのかは分かりませんが、似た機能でパルスストレッチと言う機能も搭載されております。
制御関係も、32chと多めのCPUボードも存在いたします。
開発には色々と都合が良いようです。
今や、件のロボットメーカーの依頼ではなくなりましたので、サーボモーターのメーカーに関して制限はございません。
双葉電子工業の製品も大変魅力がございますが、今回のメイドロボットは、開発が簡単に進みそうな近藤科学のサーボモーターをベースにと、考えを切り替える事にいたします。
試しに、使えそうな既存の部品を、メーカー製、サードパーティー製、共に一通り揃えてみました。
そして暫く色々と組み合わせて、率の良いサーボの配置を検討いたしました。
イトーレイネツと言うメーカーのフレーム用板金パーツと、高トルク型のKRS4014HVを主に使って組み合わせてみますと、既存の部品を組み合わせただけで、6軸のアームができあがりました。
他にも色々と流用がききそうな部品が多く、設計開発は楽に進みそうです。
こうなりますと、早くボディーの形状を進めたいと思います。
外装の形状の概略が出ませんと、設計寸法が決定されません。
せっかく一人で制作しているのですから、機械の寸法と外形は、同時に見ながら検討したいと思います。
設計に合わせてデザインが折れるのも、デザインに合わせて設計が折れるのも、あまり良い事ではございません。
このあたり、一人ですと常に両方を同時に見ておりますので、優先順位の切り替えがやりやすくなります。
まずはカポックを芯にして、油土で形状を作っていきます。
当初よりも使用するサーボモーターのトルクが上がりましたので、内容積に余裕を見るため、目標身長を140cm付近まで上げて、造形を進めます。
体積は3乗倍で大きくなりますので、120cmから140cmに2割弱上げただけでも、内容積は6割近く上がり、多くの余裕ができます。
反面、重量が上がりますが、中空構造にする予定ですので、大きく影響は出ないでしょう。
私は造形は本職ではありませんので美観には限界がありますが、寸法と内容積を割り出すための立体制作としてなら大きな問題はないでしょう。
一端ロボットとして完成さえすれば、外観は後から作り直す事もできます。
造形のプロに、別バージョンの造形を依頼する事も可能です。
まずは、前に進めるため、とにかく作りたいと思います。

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メイドロイドの一次原型の油土をシリコーンゴムで象ります。
頭部の象りは、まず様子を見るため、前面に1.0kgのシリコーンゴムを使用し、石膏でバックアップいたします。
それで大体の検討がつきましたので、背面は約500gのシリコーンと石膏バックアップで済ませました。


ボディーは片面1.0kgずつ、総量2.0kgのシリコーンゴムによるスラッシュを、同じく石膏でバックアップいたします。
油土原型には離型が楽なようにラッカースプレーを噴いて一膜作ります。
そして自重で変形しないよう、畳んだ厚手の毛布の上に寝かして象りを行います。




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油土の一次原型から象ったシリコーン雌型に、ポリエステルパテを積層して二次原型を作ります。
硬化したポリパテはどんなに転がしても変形いたしませんので、油土では難しかった取り回しがたやすくなり、色々な方向から見て修正を加えやすくなります。
また、サンドペーパーで表面処理も行えます。
この二次原型で、見た目の形を決定いたします。





ワンオフでしたら、この段階でFRPで仕上げてしまえば軽くて簡単に制作できます。
今回は後々、色々な実験を行う可能性がありますので、量産が簡単なように原型を詰めるため、一度ポリパテに置き換えて二次原型を作ります。
それからもう一度シリコーン雌型を作ってから、複数体の生産を行います。
材質も何種類か試したいと考えております。
頭部は、ポリパテを約1.5kg使用いたしました。
胴体は、前面だけで4kg缶を一缶消費いたしました。
それで手持ちの在庫が終わりましたので、本日の作業は終了いたしました。
ふと思い立ち、胴の雌型にノートパソコンを置いてみました。
ぴったりで余裕こそありませんが、治まります。


胴は、指用のサーボモーターを内蔵する予定ですが、チャンネル数と取り回しを考えれば、いざと言う時には制御用にノートパソコンを収める事もできそうです。
ハードディスクを、衝撃に強いノンスピンドルのシリコンディスクに変更すれば、転倒の衝撃ていどでしたら絶えられるかもしれません。
二次原型の処理の段階で、余裕を取るために、一皮大きめに修正を入れる事を検討してみようかと思います。
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仕入れ先にポリエステルパテが入荷しましたので、4kg缶を2缶引き取ってまいりました。
一次原型のシリコーン雌型から、ポリパテで背中の二次原型を作ります。
今回は約3kg使用しましたので、この段階で胴体の二次原型の重量は約7kgとなります。
ある程度厚さを確保しないと彫刻ができませんので、これ位の量は必要でございます。

工作室に、資材を置くためのメタルラックを更に2つ追加いたしました。
今、工作室は沢山の書籍が積まれており、スペースを圧迫しております。
そのため、ここまでの作業は実質、作業台のスチール机を含めても3畳ほどしか使っておりませんでした。
等身大の原型ですので、もう少し場所が必要かと思っておりましたが、まめに片付けながら進めますと意外に省スペースで済みました。
もっとも、六畳間で1人乗りの小型飛行機を作った方もいらっしゃる事から考えれば、制作物と、作業をする人間さえ入れれば、何とかなるものなのかもしれません。
そうは言いましても、作業場が広いにこした事はありませんし、今後、機械関係の資材も増えますので、当面はメタルラックに書籍を積んで工作室に少し余裕を作る事にいたします。
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充分に硬化して歪みが出きった前後分割の二次原型ボディを合わせて、仮組を行います。
見た所、やや厚すぎる感があります。
特に腰部の厚みが厚いようです。
金工用鋸で切って、調整しながら貼り合わせを行います。


頭部を乗せて様子を見ます。
まだ腕がないため、肩幅以下が小さく見えます。
追々調整が必要でしょう。

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メイドロイドの造形の調整を進めます。
これは、大変難しく、なかなか思うような結果が出ません。
特に、頭部は未解決の問題が山積みでございます。
等身大の人間の顔をした造形物は、大変難しい問題がございます。
簡単に申しますと、リアルな人間の顔にいたしますと、怖いものになります。
かと言って、アニメキャラクターのフィギュアのような造形にしましても、等身大に拡大した途端に怖くなります。
リアルにすればするほど、死体に似た怖さが出ます。
アニメキャラクターの造形は、人ならざる者の異形の怖さが出ます。
どちらも意味こそ違いますが、生命の危機を感じる生理的な怖さがございます。
特にアニメキャラクターのフィギュアの場合は、デザイン時の「省略」と「記号化」に加えて、小さなサイズでのみ成立する「立体化解釈」で構成されております。
これをそのまま等身大に拡大いたしますと、面の間延びと、パーツバランスの不自然さが表面化し、見慣れた人間の顔立ちとの差異も強く意識されるようになります。
例えば、小さなフィギュアでは気にならなかった目の大きさや眼球のRが、等身大になると大きな違和感となって現れるわけです。
この小さなサイズで見る前提での解釈というのは、大変難しい要素でございます。
模型の老舗、タミヤ模型のプラスチックモデルでは、実物の図面を元に、ミニチュアサイズ用のディフォルメが行われてすると言われております。
実物通りの寸法を正確な縮尺で模型にいたしますと、ミニチュアサイズでは本物を見る時とは視点や視差の違いから見た目のイメージが狂ってしまうとの事で、縮小する時にはその影響を見越して形の調整を行うとの事です。
他の模型企業でも、ディフォルメ作業だけをタミヤ模型に外注する事もあるほど、特殊なノウハウの作業なのだそうです。
そういった要素もあるのでしょうか、アニメフィギュアのデザインをそのまま拡大すれば良いというものではないようです。
以前、初めてワンダーフェスティバルにおいて〈新世紀エヴァンゲリオン〉の“綾波レイ”の等身大フィギュアが公開されました折りに、間近で拝見して怖かった記憶があります。
その後、等身大フィギュアは沢山登場されましたので、今こそ多少は見慣れもしましたが、それでも実物を目前で拝見しますと、大なり小なり違和感を感じる事が多々あります。
不二家のペコちゃんや、薬局のケロヨンのディスプレイも、大きな立体物を目の前で見ると、大なり小なり怖さを感じます。


この問題に関しては、まだ決定的な解決策は見つかっておりません。
こればかりはいくら頭で考えましてもどうする事もできませんので、自分なりの解釈と、推測と、計算で、実験しながら進める事にいたします。
もともと私は造形力に長けているわけではありませんので、緻密な計算をしたところで結局は成り行き任せになってしまう面も大きくございます。
こだわりすぎない所に仮の目標を想定して、手の届いた所で良しとする事にしましょう。
いつまでも見えない答に向かっていては完成しませんので、まずは出来た所で仕上げようかと思います。

試しに、メイドロイドの二次原型を、当初想定した身長140cmの高さに懸架して様子を見ます。
ボリューム感が、想像以上に小さく感じられます。
それもそのはず、女児にして10歳前後の平均身長(昭和60年度統計保険調査)に近い数値ですから、無理もありません。
小さい方が取り扱いは簡単なのですが、見た目のインパクトがもう少し欲しい気もします。
以前制作しましたスセロティーナは身長160cm以上ありましたので、輸送も運用も取り扱いは面倒でしたが、見た目のインパクトには押しがありました。
現段階では、脚の長さをリアルなバランスに近く想定しておりますので、プロポーション的には、まだ脚を長くする余裕はあります。
しかし、脚を伸ばしますとサーボモーターのトルクの方が心配になります。
実際に組まないと分からない面もありますので、当面は140cmで進めておいて、様子を見ながら考える事にしたいと思います。
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部品調達で秋葉原に出向いた際に一緒に買い求めてまいりましたメイド服を、制作中のメイドロイドの二次原型に試着させてみました。




さすがは秋葉原、メイドロイドの開発に必要な資材工具の殆どがここで揃います。
メイド服はSサイズを求めたのですが、身長140cmの設計ですと、それでも大きいようです。
長けを詰めるか、オーダーメードする必要がありそうです。

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メイドロイドの頭部と胴体の原型制作に伴い、全体のサイズが見えてまいりました。
各部の寸法の概算を割り出し、腕の試作を行います。
量産する際に楽なよう、できるだけ既製品のパーツを組み合わせて制作いたします。
アルミ材による簡単なフレームを3種類のみ制作し、後は既製品の流用で、肩を直交3軸、肘を1軸、手首を直交3軸、合計7軸アームといたしました。
手首は、捻りと曲げの2軸の方が制作は簡単で、デザイン的にも有利でございますが、それではハタキをかけたり、ポットでお茶を注いだり、フライパンを持ったりができず、家事の殆どが困難になってしまいますので、多少、機構が外観に影響を与えましても、人間同様の3軸を優先いたしました。
手指の制作はまだ先になりますので、当面は仮に手袋を付けておきます。
試しに、KHR-1HVのコントロールボード、RCB-3HVに接続して動作確認をいたします。
昔は、たったこれだけの事を行うにも大変な苦労を強いられましたが、今や既製品の組み合わせだけで出来てしまいます。
随分と技術が進歩したものだと痛感いたします。
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今回のメイドロイドは、アクチュエーターとして近藤科学のKRS-4014HVというサーボモーターを主に使用しております。
これは、小さなサイズにも関わらず起動トルクが40.8kg・cmもあるとても強力なもので、しかも、PWM制御とシリアル接続のコマンド式の両方で使える大変便利なサーボモーターでございます。
このクラスのサーボモーターがなければ、等身大のメイドロイドの制作はとてもとても大変な作業になるでしょう。
もっと大きなサーボモーターを使用する方法もございますが、それでは関節部がとても大きく膨らんでしまいますし、胴体に内蔵してリンケージで腕や足に動力を伝達する方法にしますと、構造が複雑になってしまいます。
もちろん重量も重くなりますし、教示機能など最新のロボット用技術を搭載した大型サーボはまだ存在しませんので、機能が制限されてしまいます。
今の時点では、小型軽量でトルクの大きなKRS-4014HVは、小規模ファクトリーで大型ロボットを開発するには、大変便利なサーボモーターでございます。
では、起動トルクが40.8kg・cmあれば足りるかと言うと、そういうわけではございません。
実際の人間の筋力はもっともっと大きく、同等の作業を行うには、このサーボモーター一つでは到底足りません。
現段階では、等身大サイズのロボットを動かす最低限のトルクを得られるにとどまっております。
今現在、肘関節―手首関節間の長さを20cmに設定しております。
起動トルクが40.8kg・cmと言う事は、手首の部分で約2kgwの起動力になります。
実用負荷はその更に何割かまで下がります。
どの程度の力が出せるか、実際に負荷をかけて様子を見る事にします。
500mlのペットボトル2本を手首のフレームに結び、持ち上げてみました。
電圧9Vですと、なんとかぎりぎりと言う感じでしょうか。
短時間持ち上げるだけならば、電圧を規格限界の12Vまで上げれば、もう少し余裕が出るでしょう。
ツインモーターにしてトルクを稼ぎ、負荷を減らす方法もございますが、それではサーボモーターが筐体に治まりきらず、腕から飛び出すバルジが大きくなりすぎてしまいますので、今回は見送ろうかと思います。
速い動作のプログラムも試してみました。
元々がロボットバトルにも使用されるサーボーモーターですので、速度的には充分過ぎる速さがあります。
KRS-4014HVは動作角が270度もありますので、120度回転すれば充分な肘関節に関しましては、約2倍の減速機を用いてトルクを倍の80kg・cmとして使う事もできるでしょう。
まずは、動作が可能な事が確認できました。
当面はシンプルな形で完成させたいと思いますので、トルクの倍増は後々の課題としようと思います。
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まずは、極々簡単な設計でも、等身大のメイドロイドを短時間動作させる事は充分に可能だという事が確認できました。
現代のメカトロニクス技術は大変な進歩を遂げており、日に日に開発されるインフラを利用するだけで、特別な技術がなくともロボットの制作が可能だと言うのは、大きな驚きでございます。
今後も更に進歩が進み、もっと高度な部品も次々と登場する事でしょう。
今回は、開発が簡単に進むように、周囲のインフラの多い近藤科学のサーボモーターを使用しております。
周辺部品が多く、手に入りやすいと言うのが一番大きな選択理由でございましたが、パルスストレッチやポジションキャプチャーなどのロボットに必要な機能と、簡易なPWM制御と、高度なシリアル接続のコマンド式のどちらでも制御もできるという点でも魅力を感じました。
PWMとコマンド式の双方で制御できると言うのは、簡単な所から手を付けて、少しずつステップアップしながら開発を進める事ができますので、とても有意義な機能かと存じます。
また、大トルク、大動作角のKRS-4014HVという製品がありましたのも、大変重要でございます。
昔は、小さなサーボモーターを一つ取り付けただけの肘関節で、1kgもの物をカールで持ち上げる事は不可能でございました。
これは大変な驚きでございます。
短時間の動作でしたら、様々な動きができる事でしょう。
しかし、これで完璧というわけではございません。
長時間、物を持ち続ける場合となりますと、話は少々変わってまいります。
『熱』の問題でございます。
ロボット用サーボモーターは、主に、ロボットによる競技やデモンストレーション演技用に設計されております。
これらの用途ですと、万一関節がロックした際でも過負荷は短時間ですので、パワーリダクションで脱力する事さえ可能であれば、特別な熱対策の必要性は少ないでしょう。
しかし日常用途となりますと、演技や競技よりも長い時間、物を持ち上げた状態が続く事もございます。
その場合は、常時負荷がかかった状態になりますので、内部のモーターやドライバー回路の温度が上昇を始めます。
温度は、加熱量と加熱時間で上昇します。
サーボモーターの負荷が大きければ短時間で大きく加熱します。
負荷が小さくても、長時間続けば加熱は進みます。
そして、サーボモーターの放熱速度と、内部の加熱速度が釣り合った所で平衡し、温度上昇が止まります。
放熱が間に合わなかった分の熱は、内部に蓄積されていき、温度が上昇していきます。
温度が高いほど放熱率が上がりますので、加熱が勝っている場合は、加熱と同じ量の放熱ができる温度まで上がろうとします。
そして、温度が限界を超えると、ドライバー回路の半導体やモーターの絶縁が破壊され、焼損してしまいます。
いくらKRS-4014HVの起動トルクが40.8kg・cmもあると申しましても、それは瞬間的なものでございます。
常温環境下でサーボモーターの放熱速度と加熱速度が釣り合う限界は、もっともっと低いトルク下になります。
熱対策は、いくつか考えられます。
一つは、サーボモーターを大きなものにする方法です。
余裕ができれば異常加熱も減りますし、熱容量も大きくなって耐性も高くなります。
しかし、それではメイドロイドの形に治まりきりませんので、今回は除外いたします。
モーターの初段の減速に、ウォームギアを使うという方法もございます。
出力軸からの反力がモーターに帰りませんので、長時間負荷を維持してもモーターの加熱はあまり進みません。
反面、出力軸からの反力で帰らないという事は、教示機能が使えませんし、パルスストレッチや弾性制御などのコンプライアンス制御もできません。
他の方法としましては、負荷をかけない事でございます。
放熱速度と加熱速度が釣り合うよりも下の負荷で使用する限りは、長時間の負荷をかけても焼損する事はございません。
例えば双葉電子産業のロボット用サーボモーターの場合は、モーター電流を監視する事で負荷を検知できますので、それによって過負荷をかけないプログラムをすれば、異常加熱を回避する事ができます。
しかし、それだけですと、最大トルクを発揮しませんから、サーボモーターの性能を生かし切る事ができません。
もう一つの方法は、放熱性を上げる事でございます。
放熱速度を上げる事で、加熱速度の余裕をとる事ができます。
しかし、これも完璧な解決策ではございません。
放熱性が良くなりますと、余裕こそとれますが、どれだけ熱的な余裕があるかまでは分かりませんので、限界がくればやはり焼損してしまいます。
最大トルクでも焼けないほど能力の高い放熱器が使用できれば問題はないのですが、限界重量を持ち上げて最大トルクを出している時は、サーボモーターがロックしているのと同じで、モーターはヒーターと同じ状態になっております。
それを冷やし続けるのは、少々困難にございます。
そして、もう一つの対策として、温度センサーを使う方法がございます。
やはりこれも双葉電子のロボット用サーボモーターですが、温度センサーを内蔵しており、加熱した際に安全策をとる製品がございます。
こういった製品を使用したり、別途サーボモーター内に温度センサーを取り付けたりすれば、サーボモーターが焼損する前に安全策を取る事が可能となります。
長時間の低負荷駆動の直後や、高負荷時の熱がまだ残っている時に連続して使用しますと、大きな負荷をかけていないにも関わらず突然サーボモーターが焼損する事がございますが、温度センサーを使用いたしますと、そういった事故を未然に防ぐ事もできます。
一番単純な方法としましては、設定温度まで加熱しましたら、動作を止めるという方法がございます。
しかしこれでは突然動作が停止しますので、転倒や把持しているワークの落下という危険もございます。
特に、異常加熱は大きな負荷がかかっている状態である事が多いですから、急な脱力は危険を伴う可能性がございます。
その場合、例えば、モーターの温度上昇に応じて、パルスストレッチを次第に大きくしていくと言う方法もあるかと思います。
人間の筋肉疲労を真似て、負荷を受けなくしてやる事で、あるていど動作を維持しながらサーボモーターの加熱を抑えようという考えでございます。
高負荷時の一時的な急加熱さえ回避できれば、軽負荷時に放熱を進める事で、動作を止める事なく現状復帰が可能となります。
このように、一気に停止するのではなく、加熱が進むと警告を出しながら、除々に脱力して行くのが望ましいかと考えます。
本当に危険温度時に近くなった時には、角度信号とポジションの差が最大でもトルクがゼロになるくらいまでパルスストレッチを上げる事ができれば、筋肉疲労を真似ながらモーターを保護する事が可能となります。
しかし、現状のKRS-4014HVでは、そこまで広いパルスストレッチの幅はございませんし、線形、非線型の設定もできませんので、パルスストレッチ最大の次はパワーリダクションという順になるかと思います。
双葉電子工業のロボット用サーボモーター、例えばRS601CRなどは、負荷の検出、温度センサー、弾性制御など、この種の制御に必要な機能を多く内蔵しておりますので、この種の高度な制御には適しているかと思います。


強度の高い中空貫通軸と、放熱面積部分の広いケース、直交軸や片持ち設計がやりやすい形状、キャリブリーションをとってあるため個体差が小さいなど、色々と利点も多いサーボモーターです。
ネジが普及率の低い径のため、開発や設計がやりにくい点と、製品ラインナップにこのもう一段上のトルクのタイプがない事を除けば、色々と興味深いシリーズでございます。
ただ残念な事に、現状では研究機関向けに販売しているとの事で、日本で最もロボットキットを扱っている九十九電機ロボット王国や、展示販売しているLAOXですら即時購入ができなかったほど販売網が狭く、入手に手間がかかります。
また、用意されておりますモーションソフトは3D表示もできる高度なものでございますが、それ故に、オリジナルで設計したロボットに使用しますには関節数と位置とサーボモーターの配置を組み替えられないために、汎用性が低うございます。
無線LANで高度な制御も可能なプロセッサユニットRPU-100も、シリアル接続のコマンド方式のみでの制御ですので、簡易なPWMのシステムから少しずつ移行する事ができませんし、種類の豊富なPWMサーボとの併用もできません。
また、これらシステムの価格も高価でございます。
競技や演技とは目的が違うが故に、メイドロイドには適した機能が多いのですが、制御に関して初心者同様の私めには、色々とハードルが高いのがとても残念でございます。
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定期購読しておりました週刊ROBOZAKがそろそろ溜まって来ましたので、まとめて組み立てを致しました。
今届いております16号では、ちょうど両腕が出来上がる所までで、全部で2時間ほどで組み上がりました。
専用バインダーも16冊収録できますので、ちょうど良いタイミングだったようです。

週刊ですので、週を空けても部品を無くしてしまわないよう、一部仮組をしておいて、後からもう一度分解する手順の部分もありましたので、一度に組み立てると二度手間になる部分もございますが、もともと少ない手間で組み上がるものですので、さほど苦にはなりません。
工作に慣れた方であれば、ハイテックマルチプレックス社のROBONOVA-Iを購入された方が早くて幾らか安うございますし、ロボットが欲しいだけでしたら組み立て済み完成品も販売されております。
しかし、週刊ROBOZAKは一度に大きな出費にならず、基礎的な事を学びながら一つづつ組み立て工程を進めてまいりますので、初心者の方が最初にロボットに手を付けるのには、とても適しているかと思います。
基本は同じとは言え、昔とは勝手も違っておりますでしょうから、私も勉強がてら購読と組み立てを進めていきたい所存です。
完成しましたら、KHR-1HVと色々と比べてみたいと思います。
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本日は、深夜より朝にかけて開催された、とあるイベントに出席しておりました。
そのイベントで同席されておりましたゲストの方より、本日は、WHF、ワールドホビーフェスティバル有明16と言う模型イベントも開催されていると伺いました。
その方は、お仕事でそちらにも参加されるとの事でしたので、私めも帰りに取材がてら、ご一緒させていただく事にいたしました。

到着すると、開場直前だったためか、入り口は大変な込みようでございます。
中に入りますと、以前、スセロティーナの開発の時にお世話になったスタッフの方もディーラーとして参加されており、偶然お会いする事ができました。
その方には、原型師の方を紹介していただきまして、メイドロイドの造形に関して色々とアドバイスを頂く事もできました。
このようなイベントは、様々なフィギュアが多数展示されており、模型店の店頭には並ばないような作品も直接拝見できる貴重な機会です。
模型誌の写真で拝見するのと、実物を拝見するのでは、かなり印象が異なる作品も多数ございます。
大変良い勉強になる場でございました。

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今日は、〈KHR 3rdアニバーサリー〉と呼ばれるロボットバトルの催しがございました。
昨今のロボット事情を勉強するため、少し見学してまいりました。
場所は秋葉原のUDXビル2F、AKIBA_SQUAREという催し物会場でございます。
自動車で言う所のワンメイクレースのようなものでしょうか、近藤科学のKHRシリーズ(KHR-1、KHR-2HV、KHR-1HV)に限定したバトル大会でございます。
同系列機種に限定されているため、純粋に、プログラム技術と操縦技術による競い合いができる競技でございます。
派手な改造は最初から禁じられておりますので、高度な設計技術、制作技術を持たない選手でも互角に競技ができますし、かかる予算も少ないため、初心者が参加しても楽しめる貴重な試合でございます。
全てのクラスが〈鳥人間コンテスト〉のように、高度な技術がないと善戦できない試合になってしまいますと、ハードルが高くなりすぎて、後から新規で参加する人が楽しめなくなってしまいますので、こういったクラスの公式試合があるのは大変有意義であると思います。
私めの制作しておりますメイドロイドも、完成した暁には何らかの大会に出場をしてはどうかと薦められる事がございます。
しかし、レギュレーションの関係上、大会への出場は難しそうでございます。
例えば、有名な所ではROBO-ONEというイベントがございます。
こちらのレギュレーションですと、身長は120cm以内と決められております。
現在試作中のメイドロイドの身長は140cmございますので、このままでは出場できません。
では仮に、寸法を縮めた120cm版を制作したとします。
しかし、5kgを超えるロボットは、足裏サイズを最大14cmまで、と決められております。
身長120cmもあるロボットが、たった14cmの足でバランスを取り、立って歩くのは至難の業ですし、5kg以下で作る事も不可能です。
14cmと申しますと、身長が同程度のアシモの、ざっと半分程でございます。
本物の人間でも、身長120cmあれば素足でも最大長は20cm近くあり、靴を履くともっとございますので、デザイン的には人間よりも小さなバランスの足で歩く事を強いられる事になります。
本来、足裏サイズは、重さに対するハンディなのですが、長身のロボットにはそれが自動的に追加されてしまうのです。
もともと長身という事自体が立ちにくくハンディである上に、重さに対するハンディが加わってしまうので、レギュレーション上、長身のロボットは予選すら出場が難しいというのが現状でございます。
そこで思考実験をしてみたいと思います。
長身のロボットでも出場が可能で、なおかつ競技として成立するレギュレーションを考えてみます。
例えば、脚の長さそのものをハンディとして課すという方法などいかがでしょう。
例えば、「脚の長さは(体重×A)cm以上とする」というルールであれば、足裏の寸法比率は現在のROBO-ONE中量級の規定のままでも、全ての体重に同等にハンディを設ける事ができ、なおかつ長身のロボットでも出場が可能になるかも知れません。
Aの値は定数が良いのか、変数にした方が良いのかはまだ分かりかねますが、このルール上で、重量でクラス分けを行いますと、自動的に身長(脚長)でもクラス分けがされますので、身長差の極端なカードが発生しないという利点もございます。
ロボットは人間と異なり、見かけの比重が千差万別ですので、設計次第では「小さくて重い」という選手が存在し得ます。
この事が今のクラス分けとハンディを複雑にしているように思われます。
重くて小さなロボットは重心が低く倒れにくいため、試合に強くなりますが、反面、ヒューマノイド同士の試合としての面白みが欠けてしまう傾向がございます。
そのために足裏サイズの規定などで「小さくて重い」ロボットを作りにくくしているかと思われます。
ならばいっそ人間と同じように、「重い選手は身長を大きく作りなさい」と決めてしまえば、見かけの比重の差が少なくなり、問題のいくつかは解決するのではないかと、考える次第でございます。
重量が増えると「足裏を小さく」するのではなく「脚を長く」する事で、人型バランスを崩さず、幅広い種類のロボットで、面白い試合運びが可能になるのではないかと、想像いたします。
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急遽、制作中のメイドロイドを、ワンダーフェスティバル 2007[夏]と言う、東京国際展示場で開催される造形物のイベントに展示する事になりました。
ここ暫くは本業が忙しい時期という事で、制作はさほど進んでおりませんでしたが、見た目の体裁を繕うべく、眼だけでも作る事にいたしました。
現段階では、まだ仮のもので良いので手間をかけずに簡単に制作いたします。
ガチャポンの透明カプセルに光彩の絵を入れて、透明樹脂で封入いたします。
光彩のサイズは、離れた距離から見る展示用という事で、やや大きめに制作いたしました。
色もバリエーションという事で、二種類を取り付けてみます。
後に必要になる通信用のアンテナも、仮の外観を作り取り付けてみました。
基部は木材を旋盤で挽き、アンテナ部はアクリルの切り出しで制作します。
表面は肌色のプライマーサーフェイサーで整えておきます。
本来なら可動状態で展示するのが良いのでしょうが、ブースに電源の使用を申請していないため、今回は諦める事にいたしました。
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メイドロイドをワンダーフェスティバル 2007[夏]で展示いたしました。
開催された東京国際展示場会場は、朝から長蛇の列で多くの人が会場待っておいででした。

朝10時の開場と共に多くの来場者が雪崩れ込み、東2・3・4・5・6ホールの広い会場が人で一杯となります。

今回は、1990年頃にスセロティーナを制作していた頃からお付き合いのあるダイキ工業のブースの一角をお借りして展示を行いました。

興味を示される方が意外にも多く、写真やビデオに収めて行かれる方も沢山いらっしゃいました。
当サイトのURLを記した名刺を300枚ほど用意したのですが、余らせる事なく、そのほとんどをお持ち頂く事ができました。
ご期待される方も多いようでしたので、次回もし展示できるようでしたら、電源の使用の申請をして、全身仕上げて可動状態で臨みたいと思う次第です。
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ワンダーフェスティバルでの展示も無事、滞りなく終了いたしました。
色々な方から貴重なご意見を賜り、大変有意義な一日でございました。
頂いたご教授は、今後の開発に活かしていきたい所存です。
幸い、今の所は大きな問題点につまずく事もなく、淡々と作業を進めております。
設計的にも、造形的にも、まだまだ煮詰めるべき部分は多々ございますが、それら全部に手を付けていては、一向に先に進みません。
まずは、今できる部分から着実に完成に向けて作業を進め、完成後のエイジングを経てからブラッシュアップを行って行ければと思う次第です。
腕に関しましては、まずは右だけとは言え動く所まで来ましたので、次は脚と指に作業を移したいと思います。
左はコピーで終わりますので、指や脚の合間に行う作業で良いでしょう。
造形に関しましては私は本職ではございませんので、手を付けたらいつまで経っても終わりそうにありませんので、これは余裕がある時にリタッチを続けていくに留めておこうと思います。
当面の目標としましては、冬には全身可動までもって行く所でしょうか。
現在の所までののべ日数は一月かかっておりませんので、まずは作業のためのまとまった時間を作る事に専念するとしましょう。
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メイドロイドのメイド服を仕立て直しました。



身長を約140cmに想定して設計しておりますので、市販のSサイズのメイド服では大きすぎたため、ワンダーフェスティバルでの展示では安全ピンで仮止めをしておりましたが、今回、洋服のリフォーム屋さんにお願いし、長けを詰めていただきました。
ワンピース、エプロン、共にウエスト位置を上げると同時に、ウエストサイズも詰めて頂きました。
その際にスカート部分も上側から短くし、円周はそのまま残してい頂いたので、末広がりなシルエットが強調され、見目も良い感じとなりました。
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開発中のメイドロイドを、“ワンダーフェスティバル 2008[冬]”に出品いたします。
今回は、電源を頂けるとの事ですので、可動状態での出品ができればと思っております。
今回の開催は、2008年2月24日(日曜日)10:00~17:00 東京国際展示場(東京ビッグサイト)東2・3・4・5・6ホールとなります。
メイドロイドラボラトリーは、前回と同じダイキ工業さんのブースをお借りしての展示となります。
出展スペースNo.は「A18-06」です。

WF ワンフェス 2008[冬]にお越しの際は、是非お立ち寄り下さい。
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今回は、メイドロイドを作動状態で展示を行いました。
動く展示物は珍しいようで、多くの来場者の方々に興味を示して頂けました。
残念な事に、メイドロイドの開発作業は前回からあまり進んでおらず、顔や胴体の造型をいくらか調整しただけに留まりメカ部分は前回とほぼ同じ状態の展示となりましたが、電源の申請ができた事によって終始作動状態で展示できたのが、大きな成果となりました。
この種の展示では、大なり小なり何らかの予期せぬトラブルが発生するものなのですが、朝7時に搬入し、その場で動作プログラムを組み、10時の開場から17時の閉会までの7時間、終始休む事なく作動させたにも関わらず、一切問題は発生せず滞りなく終了する事ができました。

今回のメイドロイドの動作は、右腕の7軸に加えて、視線の左右移動を1軸足した計8軸と、試験的に音声再生ボードを加えての9ch制御となっております。
音声はマノイ用のオプションを利用したのですが、再生出力が0.25wと非常に小さいため、会場では殆ど聞き取る事ができなかったのが残念です。
いきなりの本番で一日中連続作動させるというのは、非常にリスクが高いものです。
負担の少ないモーションを組んだという事もあるのですが、モーターが焼損する事もメカ的なトラブルも発生せず展示を終えたのは、大変な成果です。
20年近く以前に同様の事を行った時は、ここまでサーボモーターの信頼性は高くありませんでしたが、サーボモーターの性能が上がった事から来るマージンが、全体の設計の効率化に反映されたり、それが負荷の軽減に繋がったりして、耐久性に反映されたものかと思います。

近々、新しい部品が登場するらしいという情報を聴き、それを期待して現在メイドロイドの設計を一時ペンディングしているのですが、それまでの間に、こういった実地での作動テストができたのは、大変有意義でありました。
新しい部品が間に合えば、夏には動作部分を増やしての展示に挑みたい所存です。

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先日、ワンダーフェスティバルで、メイドロイドを既存のアニメやゲームのキャラクターの等身大ロボットとして制作する事は可能かと言う質問を頂きました。
現在のオリジナルデザインだけではなく、様々なバリエーションを制作するのは大変興味深いお話で、もし実現できれば色々な可能性の広がりも考えられます。
しかし、現実に可能かどうかというお話をしますと、決して不可能でこそありませんが、現在制作しております等身大サイズでは、ガレージキットに多くみられます1/6以下の小さなサイズに比べて原型と型の制作が少々大がかりになります。
また、このサイズでバランス良く原型を制作できる原型師の方も、数が限られてきます。
そのため、ガレージキットのような考え方で数多くのバリエーションを制作するのは、やや困難であるかと思われます。
しかし、等身大という利点もごさいます。
メイドロイドを一種のカスタマイズドールと見立てて考えますと、既存の製品を利用してキャラクターを模す事が、容易に可能となります。
現在巷では、コスチュームプレイ、通称「コスプレ」と呼ばれる、キャラクターの衣装を身につける趣味が盛んになっております。
そして、そのコスプレに使用する衣装や頭髪、小道具などが数多く市販されております。
メイドロイドは等身大であるため、その、実際に人が着る衣装や小道具の多くがそのまま、または、リフォームを行う事で、着用が可能となります。
試しに、実際に市販されているコスプレ用の装飾品を試着させてみる事にします。
衣装は高価ですので、とりあえず頭髪とアクセサリーだけで様子を見てみる事にします。

こちらは、〈To Heart〉 というゲーム作品に登場する、“HMX-12 マルチ”というキャラクターのコスプレ用アクセサリーでございます。
このマルチのというキャラクターは、奇しくもメイドロイドと同じメイドロボットとの事です。

“HMX-12 マルチ”と言うキャラクターは目が緑色との事ですので、両方とも緑の目を入れております。
今のメイドロイドの設計身長は140cmを目処にしておりますが、脚をリアルな人間の長さに設定しておりましたので、キャラクターらしく脚を少し長めのバランスにいたしますと、設定の147cmに近づき等身大となります。

こちらは、〈新世紀エヴァンゲリオン〉と言うアニメ作品に登場する、“綾波レイ”というキャラクターのコスプレ用アクセサリーでございます。

“綾波レイ”は目が赤色との事ですが、手元にまだ赤い目の試作品ができあがっておりませんので、写真修正で赤くしてございます。
設定に近いバランスにするために更に脚を長めにとりますと、身長も設定の158cmに近くなり、等身大となります。

現在のメイドロイドの頭部は、アニメーションのキャラクターをフィギュア化する時の立体解釈とは、デザインのアプローチが異なっておりますので、そのままウィッグとアクセサリーを付けただけでは、いずれも元のキャラクターのイメージからは遠いものになっております。
しかし、髪の色と付属パーツだけでも雰囲気は大きく変わるようでございます。
現在よりアニメフィギュアに寄せたデザインのフェイス部分のバリエーションを何種類か用意すれば、もっとイメージに近い組み合わせが作れるやもしれません。
フィギュアデザインの顔立ちの等身大化は、『0008 メイドロイドの、造形の調整』でも申し上げました通り、まだまだ大きな課題が残されており、一筋縄で解決できるものではないでしょう。
しかし、好みのキャラクターにカスタマイズする事、それ自体であれば、市販アクセサリーや衣装が豊富であるため、決して難しい事ではないようでございます。
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現在、メイドロイドの音声ユニットには、京商株式会社のRCB-3音声ユニット(MANOI/DO3)という製品を使用しております。

先日のワンダーフェスティバルでメイドロイドを展示した際にも、動作と同時に、この音声ユニットでの発声テストも行っておりました。
仮組みという事で、回路は頸部の後ろにワイヤーで固定し、スピーカーはメイド服の胸元に隠しております。
メイドロイドの発声する音声でございますが、ワンダーフェスティバルでの展示の際には、間に合わせとして以前発売されていたデスクトップアクセサリー『デスクトップのメイドさん』シリーズのシステム音声を利用いたしました。

1巻は中川亜紀子お嬢様が演じられました“メイファン”、2巻は今井由香お嬢様が演じられました“シンディ”、3巻は冬馬由美お嬢様が演じられました“アニエス”と、三種類のシステム音声が収録されており、更に続刊もございます。
今はこれらの製品は絶版で手に入り難くこざいますが、『初音ミク』や、『鏡音リン・レン』などの、VOCALOIDで自作した音声をSDメモリーカードに記録する事で、任意の台詞をしゃべらせる事も難しくないのではと存じます。
このRCB-3音声ユニット(MANOI/DO3)と言う製品は、近藤科学社製のコントロールボードRCB-3から制御できる音声ユニットでございまして、SDメモリーカードに録音いたしました50通りのWAV形式の音声を再生する事ができるものでございます。
使用電圧は6V~12Vと幅広く、ブックマッチ程のサイズで、重さもスピーカー込みで30gしかなく、使い方もサーボモーターをコントロールするのと同様のプログラムで扱えますので、非常に簡単に制御できるようになっております。
しかし残念な事に、使用説明書が少々煩雑でございまして、そのために、せっかくのシンプルな機構であるにも関わらず、初めて使う時には理解にやや手間を要してしまいます。
簡単に申しますとこのユニットは、目には見えませんが『000番~050番までの51接点のロータリースイッチがあり、それをサーボモーターで回すようなもの』、と思っていただければ良いかと思います。
そして、サーボモーターでロータリースイッチをカチカチと回してやりますと、その番号に録音してある音声が再生されるわけでございます。
あらかじめ、000番にノンモン(無音)と、001番から050番に色々な台詞を録音しておきます。
そして、ロータリースイッチを任意の角度に回すようサーボモーターに指示してやる事で、任意の番号の音声を選んで発声させる事ができるわけでございます。
図にいたしますと、このような感じでございます。

途中で音声を止めたい時は、000番の角度にサーボモーターを回してやりますと「無音を発声する」を呼び出す事で、音を停止いたします。
どの角度値で何番の音声が発声するかは、製品によって個体差がございますので、あらかじめ自分で計って調べておく必要がございます。
また、電気的なバックラッシがあるようで、順転と逆転では、音声が呼び出される角度値がズレる事がございますので、それも計っておく必要がございます。
もっとも、呼び出しの角度値には10stepほどの幅がございますので、常に、順転と逆転で呼出される角度の中間値を使っておけば、問題はないようでございます。
コントロールボード用ソフトウエア『HeartToHeart』を使い、角度の値を1つづつ上げて行き、音声が再生された値を001番から050番まで一通り記録します。
そして次に、反対に1つづつ下げながら、同様に001番から050番までが再び再生された値を記録します。
その昇順と降順の値の差によって、バックラッシによる差分を割り出す事ができます。
また、例えば『HeartToHeart』での使用ですと、[speed]の値が大きいと、ダイヤルをゆっくり回っているのと同じ事になり、直前に呼び出した番号の音声から、次に呼び出した番号の音声までが、次々と連続して発声してしまいます。
ですのでプログラムの際は、ロボットの動作とは別に、音声の呼出しだけの別の[POS]を使い、小さな[speed]値で瞬時に任意の音声を呼び出してやる必要がございます。
しかし、[speed]値を1で組みますと、あまりに早すぎて処理がおいつかない事がございますので、2~5程度が良いかと存じます。
ただ、このRCB-3音声ユニット(MANOI/DO3)には難点もございます。
ノーマルのままでは音量があまり大きくないため、そのままでは広い会場では声が分散してしまって、ほとんど聞き取る事はできません。
あくまでも家庭内などのあるていど静かな限定された部屋での使用に留まります。
また、使用できる音声ファイルのサンプリングレートが11.025kHzとかなり低めですので、素材の段階でかなり音質を劣化させてしまう事になり、どんなにスピーカーやアンプを工夫しても音質は上がらないという点がございます。
人間の声を、単純な周波数だけで捉えますとサンプリング周波数は11.025kHzあれぱ足りるように思えますが、音声は複雑な波形をしておりまして、例え16bitの解像度がありましても11.025kHzでは変調度が足りず、台詞によっては滑舌が悪く聞こえてしまう事もございます。
また、高音が著しくカットされてしまいますので、破裂音や摩擦音などの発音も記録しにくくなり、全体に音が丸まった、古いAMラジオか黒電話的な音質に下がってしまいます。
そして、発声の前や後に、ノイズ音が混じる事がしばしばございます。
このあたりは製品の仕様との事ですのでどうする事もできませんが、この価格と、この利便性から来るコストパフォーマンスの高さに関しては、とても面白い製品ではないかと存じます。
効果音やインフォメーションなど、様々な用途に手軽に使えるかと存じます。

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