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2007年3月14日 (水)

0001 メイドロイド™の、開発計画のスタート その1

 遡る事2年、2005年の4月の事でございます。
 その昔、スセロティーナを製作した際のスタッフから数年ぶりの連絡がございました。
 そして、とあるロボットメーカーのスタッフを紹介されました。
 そのロボットメーカーでは新しい企画を模索されているとの事で、何かアイデアが欲しいとの事でした。

 そのロボットメーカーでは、双葉電子工業のロボット用サーボモーターを使用した研究用二足歩行ロボットの開発と販売を行っており、同時に、そのロボット用サーボモーターの販売代理も行っておりました。
 双葉電子工業のロボット用サーボモーターは、当時としては大変先進的な機能を持っておりました。
 トルクも充分あれば、シャフトは貫通軸設計で、ビスも貫通してナット止めを行うと言う、全体に強度を重視した設計になっておりました。
 しかも直交ニ軸の構成や両軸出力が容易で、金属筐体の放熱面積も大きく、目標角度に応じた弾性制御、負荷を測るトルクセンサーや温度センサーのフィードバックも可能で、加熱による焼損や高トルクによる自己破損を防ぐ、高機能サーボでございました。
 特に注目すべきは、目標角度に応じた弾性制御機能で、それまでと同様にホストコンピューター側からは簡単なオープンループで制御しながらも、簡易的なインピーダンス制御が可能になると言う、大変高度な機能を搭載しておりました。
 それまでのラジコン用サーボモーターでは、モーターの中ではクローズドループで角度を制御しておりますが、ホスト側から見れば角度信号を一方通行で送るオープンループ制御として使用されていました。
 フィードバックをかけないオープンループ制御のロボットでは、どれだけ負荷がかかっているか分からず力をかけ続けるため、例えば手を合わせて拝むポーズをとっていると、モーターやドライバー回路が焼ける危険がございました。
 扉を開ける動作の時も、アームの移動する軌跡と、ドアノブの軌跡が綺麗に交差しないと、余計な負荷がかかり、最悪破損する事もございます。
 これらは本来、フィードバックでアームにかかる負荷を検知して、ロボットの動きに修正を加えてやる事で解決するのですが、ラジコン用サーボモーターでそれを行うのは大変ナンセンスでございます。
 ホストコンピューターまでフィードバック信号を返すのであれば、既存のラジコン用サーボモーターを流用するよりも、全くのゼロから関節ごとサーボ回路を設計した方が早うございます。
 ところが、この双葉電子工業のサーボモーターは、コンパレーター回路の中で弾性制御までが完結しているため、ホストコンピューターまでフィードバックを返さなくても、ちゃんと手を合わせて拝む事ができるのです。
 なぜなら、かかった負荷に対して、角度が逃げるのです。
 無理をしてまで目標角度に向かわず、目標角度に近くなるほどトルクを下げるため、サーボモーター単体でフレキシブルアームが構成する事ができるのです。
 これを使うと、人間と握手する事も可能でございます。
 インピーダンス制御は、実際に人間と触れるロボットには必要な機能の一つございます。
 完全なものでなくとも、簡易的でもインピーダンス制御があるとないとでは大きく違います。
 トルクリミッターなどで機械的にインピーダンス機構を作る事も可能ですが、機構が複雑化してコストが上がりますし、人間型のデザインに収めるためには、余計な機構でスペースを割くのもあまり良い事ではございません。
 また、機械で作るよりも、電子的に弾性力を調整できる方が、制御も機構もずっと単純化ができます。

 そこで私は、僭越ながら、この双葉電子工業製のサーボモーターの特色を生かせるよう、単なるパフォーマンスロボットではなく、もう一歩進めて、実際に人間と触れる事が簡単にできるロボットを作ろうと考えました。
 そして、等身大のメイドロボットの企画を立てて提案する事となったのです。

 一言に等身大と言いましても、あまり大きな物は製作が大変でございます。
 担当者からは、身長100cmくらいで収めて欲しいとの要望がございましたので、まずは仮に身長100cmで設計の概略図を起こしてみました。
 しかし、身長100cmでは必要な数のサーボモーターを効率よく人間型の中に内装するのは困難で、腕には大きなバルジが飛び出しました。
 多少のバルジであればロボットデザインと言う事で許されるかと思いますが、それにしては少々大きすぎました。
 また、実寸大の設計図を広げてみると、大きさ的にややインパクトに欠ける面もございました。
 製品安全協会の身体計測報告書(1973年)によると、身長100cmと言うと日本人女児にして4歳児の平均身長でございます。
 これでは、あまり等身大らしくございません。
 そこで、サーボモーターのサイズとトルク、デザイン面との兼ね合いから概算を出し、当面は身長120cm~140cm程度の中で折り合いを付けようという話になりました。
 トルクと重量の関係から、小さく済むならそれに超したことはないので、等身大に見えてかつデザイン的に破綻の少ない範囲での最小寸法が望ましいのです。
 成人の平均身長でも154cm(1984年、通産省工業技術院、体格調査報告書)ですから、150cmまで大型化する必要はないかと思われます。
 まずは仮に最小のケースと言う事で、身長120cmで概略図を書き直しました。

メイドロイド設計20070314_00

 これが、メイドロイド開発のスタートでございます。

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