« 0036 ワンダーフェスティバル2009[夏]での展示を終えて | トップページ | 0038 第16回 ROBO-ONE にエントリー »

2009年8月 2日 (日)

0037 メイドロイド™0号試作機の設計について

20090802_01 20090802_02

 メイドロイド™0号試作機のフレームは、一般的なラジコン用サーボモーターを利用したロボットと同じく、アルミ板金を主体としてございます。

 0号試作機におきましては、まずは原理試作として歩行を検証する事、量産化に向けたパーツ構成の試験、そして人間の自由度に近づけるためのプランの基盤作りを目指して設計を行ってございます。
 サーボモーターの配置も、まずは人間のシルエットに収める事にはこだわらず、動作確認を優先してシンプルな設計とし、人体のシルエットからはみ出す部分も、無理をせずはみ出したままの形としております。
 また、関節間の距離におきましても、人体デッサンよりも動作の確実性を優先し、大腿部と膝の間、膝と脛の間の距離を同じ長さに設計いたしました。
 人体デッサン的には等長にはならないのですが、これにより、最もシンプルな屈伸を行っても、上体が前後せず垂直に上下いたします。

 また、今回は剛性も重視しております。
 同じ素材の場合、厚みが2倍になると曲げ強度は2倍よりも強くなります。
 同じ断面積の場合、丸棒や角材よりも、丸パイプや角パイプの方が曲げ強度が上がります。
 サイズが大きくなりますとそれらの性質を設計上で利用しやすくなりますので、主に厚手のアルミ板でチャンネル材を制作して使用しております。

20090802_03

 なぜ剛性を求めるかと申しますと、第1に、歩行中に剛性不足でフレームが歪みますと、モーションの精度が狂い、歩行が困難になるからでございます。
 メイドロイド™は、四肢が長い上に重量がございますので、余裕を持って設計いたしませんと、動作中に歪みが起きやすうございます。
 そして第2に、等身大のロボットが転倒いたしますと、その衝撃は非常に大きく、それによってフレームに歪みが生じますと、やはりモーションの精度が狂ってしまうからでございます。
 これらは自動車のサスペンションと同じ理屈でございまして、例えどんなに良いサスペンションを設計しても、シャシーが歪むとサイヤの動作軌跡が設計とは狂ってしまい、設計上の性能が出なくなってしまうのです。
 現代の量産自動車の多くは、スポット溶接によるモノコックシャシーでございますので、数年間運用いたしますとシャシーの剛性が劣化して、コーナーリング性能が低下いたします。
 ロボットの場合も同じで、フレームが歪むと歩行モーションが狂ってしまいます。
 小型のキットロボットでも、何度も転倒を繰り返しますとフレームに歪みを生じ、歩行の精度が狂う事がございます。
 メイドロイド™では、約150cmの身長と約10kgの重量の転倒による大きな衝撃でも歪みにくいよう、できるだけシンプルで頑丈なフレームにいたします。

 二足歩行ロボットの脚部構造には、並行リンクによる設計方法がございます。
 並行リンク脚は、素早い屈伸運動を行っても、常にリンク機構によって自動的に上体の垂直と足裏の水平が維持され、また、膝アクチュエーターの重量を膝から遠ざける設計にする事で屈伸時のバランス変化を抑える事もできるため、競技用に特化された歩行ロボットではよく使われる設計ではございます。
 しかし並行リンク脚では、例えば、膝だけを曲げるという動作の際でも同時に股関節と大腿部のフレーム全体が稼働する必要がございますように、やや人間的な動作と遠離る傾向がございます。
 大腿部の捻りも、旋回軸としてしか備えられず、人間より関節の自由度の減るアクチュエーター構成となります。
 また、リンク機構にする事によってパーツ点数が増えるという事は、同じ太さの脚で設計する場合は一つ一つのパーツの太さは細くなり、例え組み上げた時の剛性が同じであっても、パーツ単品の剛性は下がってしまう事にもなります。
 通常は問題なくとも、転倒と言ったイレギュラーな事態におきましては、単品パーツの強度が低いと歪みを生じる可能性が高まります。
 そういった、人間らしいポージングとはやや遠くなる面と、パーツの複雑化に伴う幾つかの弊害を避けるため、今回は並行リンク脚は使用せず、最もシンプルな設計といたしました。

 代わりに、膝関節を二重関節とする事で、屈伸時の足首、膝、股関節の全てのサーボの回転角を同じに揃えて回転速度の差を減らし、速い屈伸の際も足裏の水平を保ちやすくなるようにいたしました。
 これにより、正座のできる180度の膝曲げも可能でございます。
 今回は剛性不足に繋がる軽量化を避けておりますので、リアルな曲がりとはややかけ離れますが、膝部分の長さを多めに取って大腿部の長さを短く設定する事で膝関節にかかる重量の負荷を下げる設計にもなっております。
 
 膝には充分なトルクを得るために、ダブルサーボを使用しております。
 KRS-6003HVは元々67.0kg・cmもトルクがございますが、ダブルサーボ用ボトムケースを使用して2つのサーボモーターを連結し、ICS3.0シリアルマネージャーで一方のサーボモーターをスレーブモードに設定する事で、簡単に倍のトルク134.0kg・cmでの使用が可能となります。
 ダブルサーボを更に二重関節で設計しておりますので、片膝あたり都合4個のサーボモーターを使用しております。
 
 本来は大腿部の捻りを、膝関節と股関節の間に入れた方がより人間らしい動きになるのですが、今回はまず歩行させる事を優先させるために、簡易版として、股関節の上方に捻りを備えて旋回軸として使用いたします。
 股関節は一端は直交軸で設計いたしましたが、可動範囲を考えて、今回は直交軸設計は見送る事といたしました。
 このあたりは動作確認がとれましたら、再設計を行う所存にてございます。

|